前回の記事では、「アンガーマネジメントとは?」についてできるだけわかりやすく触れました。
前回の記事はこちら。
今回は、アンガーマネジメントがどのように始まったのか、そして、どのような場面で活用されているのかについて解説していきますね。
アンガーマネジメントの始まりは?〜1970年代にアメリカで始まりました〜

アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで開発された、怒りの感情をマネジメントするための感情理解教育プログラムです。
プログラムが開発された当初は、DVや差別、軽犯罪者に対する矯正プログラムとしてカリフォルニア州を中心に広まっていきました。
今現在では、アメリカの教育機関だけでなく企業でも導入されていて、教育現場や職場環境の改善、業務パフォーマンスやコミュニケーション改善などを目的に深く浸透し活用されています。
ここで気になるのが、誰がアンガーマネジメントのプログラムを開発し確立したのか、ですよね?
実は、アンガーマネジメントの生みの親が誰なのかは未だわかっていないのです。
今のところ、DVやマイノリティのメンタルヘルスプログラムから発展したという説が有力とされています。
理論としては、アドラー心理学や選択理論心理学などと親戚関係のようなイメージかなと思います。
世界同時多発テロをきっかけに普及

今から40年以上前から少しずつ浸透してきたアンガーマネジメントですが、爆発的に普及した時期があります。
それが、2001年9月11日の世界同時多発テロです。
これ以降、社会不安の増大を受けて一気に一般に普及しました。
「不安」と「怒り」はリンクしているということが明らかですね。
現在では、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、インド、フィリピン、マレーシア、シンガポール、アルゼンチンなど主に英語圏に普及しています。
ジャスティン・ビーバーやロジャー・フェデラーも!?

今やCMでも引っ張りだこのアーティスト、ジャスティン・ビーバー。
しかし、わりとお騒がせキャラも定着しているのではないでしょうか。
2014年、彼は元隣人宅の生卵を投げつけて8万ドルの賠償金を支払いました。
それに加え、司法取引の一環として怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントの受講命令が出されました。
受講命令が出された人は、裁判所が下した回数の講習を自費で受けることになります。
1回あたりの講習が60分あり、費用は1万5千円ほど。ジャスティン・ビーバーの場合は、12回の受講だったようです。
また、スーパーモデルのナオミ・キャンベルは、暴行事件を繰り返し、その度にアンガーマネジメントの受講命令が出されています。
アンガーマネジメントを受講しても改善されないのは、やはり本人のやる気の問題ですよね。
裁判所の受講命令に従わないと保護観察が外れないので、受けざるを得ないのでしょう。
そしてテニス界の神、ロジャー・フェデラー。
実は彼は感情のコントロールをするのがとても苦手な少年でした。
試合中、ミスショットのたびにラケットを叩きつけて怒りをあらわにしていました。
彼も最初から神だったわけではないんですね。
そこで、ロジャー・フェデラーを作り上げたコーチとして有名なピーター・カーターからメンタル面でのコーチングも受け怒りをコントロールできるようになっていったんです。
まとめ

このように、発祥国ということもあり、すでにアメリカではアンガーマネジメントが定着しています。
教育やスポーツ、そして政治や司法にまでその分野は多岐にわたっています。
さて、日本ではいかがでしょうか?
ここ最近では、研修などで取り入れる企業も増えてきています。
アンガーマネジメントが日本でも普及するのはこれからでしょう。
しかし、一過性のブームで終わらせるわけにはいきません。
私もファシリテーターとしてこれからも草の根レベルでしっかり活動・発信していきたいと思っています。
次回は、怒りの感情の仕組みについて解説していきます。
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アンガーマネジメントについて興味がございましたら、ぜひ受講されて見てはいかがでしょうか。