こんにちは。アンガーマネジメントファシリテーターの山形です。
前回は、アンガーマネジメントの歴史やどのような分野で活用されているかについてご紹介させていただきました。
前回までの記事はこちら。
今回は、怒りについて解説させていただきますね。
そもそも怒りという感情は一体何のためにあるのでしょうか。
私たちは、怒ること・イライラすることに罪悪感を感じたり、恥ずかしいことだと思っている人が多いと思います。
実際私も、「怒ることはダメなことだ」という認識だったので、怒りたいけど我慢したり、かと思えば怒った後はとても罪悪感を感じていました。
では、怒りについてみていきましょう。
怒りはごくごく自然な感情表現

怒りとは、人間に備わっているごくごく自然な感情表現の一つです。
よく喜怒哀楽なんていいますよね。
喜んだり、怒ったり、悲しんだり、楽しんだりと、当然のように私たちには怒りという感情が備わっています。
世の中に怒らない人はいません。また、怒りという感情をなくすことみ不可能です。
あのお釈迦様にも怒りの感情は当然備わっていました。
怒りという感情が備わっていたおかげで、怒りという感情と向き合い、たくさんの怒りについての教えも後世に伝えています。
なので、怒りという感情は人間に備わっているごくごく自然な感情の一つです。
怒りは伝達手段

怒りというものはそもそも、「わかって欲しい」というリクエストするための伝達手段です。
しかし、怒ることで伝わることがあるし、逆に怒ることで伝わりにくくなることがあります。
どういうことか。
例えば、以下のような伝達手段があります。
「部屋を片付けてくれたら嬉しいな」←やさしく
「部屋を片付けて欲しい」←わりと普通に
「部屋を片付けなさい」←怒りながら
いかがでしょう。
実は、3つとも同じリクエストをしているだけなんです。
紙に書いてリクエストするならば
「部屋を片付けて」
というところでしょうか。
このようにその時の状況や環境次第で、怒りという感情を使うことで伝わりやすかったり、伝わりにくかったりします。
さらにいくつか例をあげてみましょう。
「何でお前は遅刻ばかりするんだ!」
「いつも遅れるけどどうしたの?」
「何であのとき言わなかったんだ!」
「あのときに(すぐに)言って欲しかったな」
「夕飯前におやつを食べちゃダメでしょ!」
「おやつは3時に食べようね」
このように、同じリクエストを伝えているのですが、怒りという感情を使うか使わないかでニュアンスが全く変わってきますね。
ここで、怒りについて誤解されがちなことがあります。
多くの人は「怒る=怒鳴る」と思っているのではないでしょうか。
しかし、「怒る=怒鳴る」ではありません。
先ほど述べたように、怒りというものは、リクエストです。
「いやいや、怒りなんて制御できるわけないじゃない」
と聞こえてきそうですが、それははっきり言って自分の怒りをコントロールすることを放棄しているということでもあります。
アンガーマネジメントを学び、日々トレーニングをすることでコントロールできるようになってきます。
なので、話は戻りますが、怒りというものは伝達手段です。
怒りという感情を使うことで伝わりやすかったり、伝わりにくくなるということです。
怒りは生きていくために必要な機能・役割

怒りは生きていくために必要な機能であり役割です。
つまり、怒りは命を守るための、そして身を守るための感情でもあります。つまり防衛感情ということです。
これは動物に例えるとわかりやすいです。
動物は、命の危機に接したときにとる行動は2つです。
全力で「逃げる」か「襲う」か。
これを「闘争・逃走反応」といいます。
1929年にウォルター・B・キャノンによって初めて提唱された動物の恐怖への反応のことです。
人間も生き物ですから、当然これと似た反応を持っています。
つまり、怒りというのは、命の危機のときに、襲うか、逃げるか判断するための命令ということです。
なので、怒りがなければ困りますよね。
だから、怒りは命を守るための、そして身を守るための感情ということになります。
まとめ
ここまで、怒りがどのようなものなのか、ポイントを3つご紹介してきました。
1つ目は、怒りはごくごく自然な感情表現だということ。
2つ目が、怒りは伝達手段だということ。
3つ目が、怒りは生きていくために必要な機能・役割であるということ。
ここまでご理解いただけたかと思います。
とはいえ、怒りの感情って扱いにくいですよね。
次回は、怒りの感情が扱いにくい理由や怒りについての誤解について触れていきたいと思います。
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