傾聴で大切な「共感」する方法

傾聴で大切な「共感」する方法
傾聴で大切な「共感」する方法を知りたい方
「傾聴では共感が大切だとわかってはいるけど、どうもうまくいかない。どうすればいいか知りたいなぁ。それに、特にネガティブなことに共感すると、相手の感情に飲み込まれてしまうのをどうにかしたい。良い方法はないだろうか?」

このような疑問に答えていきます。

★この記事の内容

  • 傾聴で大切な「共感」する方法
  • 話し手の感情に飲み込まれずに共感する方法

ぼくは、心理カウンセラーとして毎月約30人の方とセッションをしています。
カウンセリングでは、傾聴がベースにあります。傾聴しながら共感ができなければセッションは進みません。
ぼくが傾聴をおこなう上で大切にしていることも含めてお伝えします。

その前に、前提として「傾聴」について定義しておきますね。
傾聴とは、「聞く」というより「聴く」ということ。つまり、積極的にじっくりと耳を傾けて聞くこと。
また、否定も肯定もせず、先入観や固定観念を脇に置き、相手の話に集中すること。

ということで、今回は傾聴で大切な「共感」する方法についてお伝えします。

共感しているはずだけど、これでいいのかな、と不安な方は、ぜひ記事をご覧ください。

傾聴で「共感」するためのポイントは3つあります

傾聴で「共感」するためのポイントは3つあります

以下の3点が大切なポイントになります。

  • その①:そもそも「共感」とは?
  • その②:「共感」と似て非なる「同情」と「同感」を知る
  • その③:「共感」するためには「受容」から

その①:そもそも「共感」とは?


共感とは、相手が感じるように感じることです。

傾聴しながら話し手の話を聞くということは、相手の立場になってみることでもあるからです。

「共感する」ときにありがちなのが、
「あ、それわかるー!」
「そう、あなたの言うとおりだね」
というもの。
しかし、これは共感ではなく、賛同です。

共感 ≠ 賛同

もう一度言いますが、共感とは、相手が感じるように感じることです。
もう少し踏み込んでみると、
話し手の世界(言っていることや感じていること)を、まるで自分自身のものかのように感じ取ることです。

比較しながら例にしてみますね。

【賛同】
話し手(同僚Aさん)「〇〇部長、またセクハラ発言してきたのよ!もう絶対に許せない!」

聞き手「あ、わかるー!私も昨日おんなじこと言われたの!」
話し手の「許せない!」という怒りに乗っかる

 

【共感】
話し手(同僚Aさん)「〇〇部長、またセクハラ発言してきたのよ!もう絶対に許せない!」

聞き手「〇〇部長のことが許せないんだね」
まるで、話し手の「許せない!」という怒りを、自分自身のものかのように感じながら

このように、否定も肯定もせずに、話し手の気持ちをまるで自分自身のものかのように感じることが「共感」です。

その②:「共感」と似て非なる「同情」と「同感」を知る


共感するためには、よく似た「同情」「同感」との違いを知る必要があります。

「共感」「同情」「同感」は、よく混同しがちなのですが、それがなぜかというと、辞書で調べてみても、ほぼ同じようなことが書かれているからかもしれません。

たとえば、この「同情」と「同感」をGoogle先生で調べてみました。

同情:他人の気持、特に苦悩を、自分のことのように親身(しんみ)になって共に感じること。

同感:(その人と)同じように感ずる、または考えること。

このとおり、違いがわかりにくいですね。

では、この2つの違いについて説明します。

まず、同情です。
共感が「理解しようとする態度」に対して、同情は「相手のことを自分よりも下だと見下す態度」です。もしあなたに軽蔑しているつもりがなくても、見下していることになります。

続いて、同感です。
同感は、同じ価値観をもつ人に生じるものです。共感が「まるで自分自身のものかのように感じる」のに対して、同感は「あなたの気持ち=私の気持ち」の状態です。

共感しているつもりが、「あなたと私は違うの!あなたに私の気持ちなんかわからないわ!」となってしまうことがある時は、同感している可能性があると思っていいでしょう。

このように、共感とよく似ている「同情」「同感」との違いをはっきりさせてみることで、よりよい傾聴ができるのではないでしょうか。

その③:「共感」するためには「受容」から


共感するためには、「受容」という態度が大切です。

なぜならば、共感の土台になっているものが、「受容」だからです。
共感するためには、傾聴が必要です。その傾聴の基本の「き」が「受容」の態度です。

傾聴において「聞く」という行為は、相手を「受容」することを意味します。
わかりやすく言うと、受容とは「あなたの話をしっかり聞きます」という姿勢です。

では、「話をしっかり聞く」とはどのようなことでしょうか。
以下のようなものになります。

  • 相手の話す言葉に注目し、言葉を聞き逃さないようにすること
  • 相手がどのような表情、しぐさ、声の調子で言葉を発しているかに注目する
  • 相手がどのような話をしても、それに寄り添っていく

<参考「心の対話者」鈴木秀子(文春新書)>

これらができて、初めて話し手は「わかってもらえた」「受け入れられた」という思いにたどりつきます。

この「話をしっかり聞く」という受容の態度が土台にありながら、共感ができるようになってきます。

話し手の感情に飲み込まれずに共感する方法

話し手の感情に飲み込まれずに共感する方法

共感することで、話し手の感情に飲み込まれてしまうことが起こります。

たとえば、辛く悲しんでいる人の話を聞いていると、自分も悲しくなってしまい涙がとまらなくなる、といったケースです。

では、どうすれば話し手の感情に飲み込まれずに共感できるのか。
ポイントは3つあります。

  • その①:話し手と自分の「境界線」を見失わない
  • その②:心の中で「〜って思っているんだな」とつぶやく
  • その③:それでも相手の感情に飲み込まれる場合はカウンセラーを頼る

その①:話し手と自分の「境界線」を見失わない


話し手の感情に飲み込まれずに共感する方法で有効なのは、話し手と自分の間に、「境界線」を引くことです。

「境界線」とは、ここからここまでは自分の領域、そこから先はあなたの領域、ときちんと線引をする方法です。ちなみに、このことを心理学では「バウンダリー」と言います。

この境界線をまったく意識していないから、相手の感情をダイレクトにもらってしまうのです。

たとえば相手が、人から誹謗中傷を言われ悲しかったことを話している場合、境界線がなく共感してしまうと、その悲しみを「共有」してしまうことになります。

相手が悲しみを抱えていても、それは自分のものではありません。その問題(人から誹謗中傷を言われ悲しみ)を所有して、それを解決していく人というのは、あくまでも相手にあるのです。

聞き手の自分は、相手の問題を一緒に抱え込んだり、解決してあげようなどと思う必要ないのです。

こういう話をすると、一見、「なんてひどい人なんだ」と思われるかもしれません。

相手よりも、自分の方が経験が豊富で、しかもその問題を解決する方法を知っているのならば、相手に変わってなんとかしてやろうとするのが人情だと思います。

このようなシーンは、親と子、上司と部下、教師と生徒などにみられます。
こういった関係性の中では、「相手にはまだ能力が足りないから」と勝手に判断してしまい、本人ができることまでやってしまうことがあります。

しかし、このことは、相手の能力を低く見積もっている行為だということなんです。心理学では、「ディスカウント」と言います。

そのため、境界線をきちんと引き、「なんとかしてあげたい」という気持ちが働いたとしても、その問題は相手のもので、それを相手が解決していくことで成長していくものだと信じることが大切です。

その②:心の中で「〜って思っているんだな」とつぶやく


話し手の感情に飲み込まれずに共感するには、心のなかで「(話し手は)〜って思っているんだな」とつぶやきましょう。

その①の「境界線」に通じますが、思っているのは自分ではなく相手にあるからです。

たとえば・・・

話し手(同僚Aさん)「〇〇部長、またセクハラ発言してきたのよ!もう絶対に許せない!」

聞き手「〇〇部長のことが許せないんだね」
心の中では「Aさんは、許せない”って思ってるんだなぁ”」とつぶやく

注意したいのは、言葉に出さないことです。言葉に出してしまうと、相手はバカにされたように受け取ることがあります。

このように、「〜って思っているんだな」とつぶやくことで、境界線があることを意識することができます。

その③:それでも相手の感情に飲み込まれる場合はカウンセラーを頼る


これまでの内容を実践できたとしても、相手の感情に飲み込まれる場合はカウンセラーを頼ることを検討しましょう。

なぜならば、「相手の痛み」が、まだ癒せていない「自分の痛み」と反応して、一緒に傷ついて痛みを感じているからです。

いわゆる「もらっちゃう体質」の方は、まだ癒せていない心の傷が多く残っていると言えます。

癒せていない心の傷は、一度しっかりとその心の傷に残っている「感情」をしっかりと味わってあげることで浄化(心の傷の修復)することができます。

たとえばですが、人に「バカ!」と言われて、「なんだとー!」とムッとするという場合は、過去にバカと言われて傷ついた時の体験が、まだ癒やされていないということです。

では、どうやって心の傷を修復していくか、ですが、ここは心理カウンセラーを頼るのが近道です。

世の中には、様々な心理カウンセラーがいますが、「インナーチャイルド・ワーク」ができる方を探してみてください。

傷つき体験というのは、幼少期がほとんどです。傷ついた子どもの時の自分を癒やすことで、過去に支配されていた人生から解き放たれることができます。

そのため、相手の感情に飲み込まれる場合はカウンセラーを頼ることを一度検討してみましょう。

まとめ:傾聴は「共感」と「境界線」が大切です

傾聴は「共感」と「境界線」が大切です

記事のポイントをまとめると・・・

  • 傾聴で「共感」するためのポイントは3つあります
  • ①「共感」を知る
  • ②「共感」と似て非なる「同情」と「同感」を知る
  • ③「共感」するためには「受容」から
  • 話し手の感情に飲み込まれずに共感する方法は3つあります
  • ①話し手と自分の「境界線」を見失わない
  • ②心の中で「〜って思っているんだな」とつぶやく
  • ③それでも相手の感情に飲み込まれる場合はカウンセラーを頼る

傾聴で共感というテーマでしたが、もちろん「こうやればOK」みたいな正解はありません。傾聴の「やり方」ではなく、問われるのは聞き手の「あり方」です。

相手を受容するために、自分のハートを開くことがとても大切です。

今では、対人援助職だけでなく、企業の面談でも「傾聴の大切さ」が重要視されています。

今回の記事の中で、何か一つでもお役に立てるものがあればうれしいです。

ということで今回の記事は以上です。

傾聴で大切な「共感」する方法

ABOUTこの記事をかいた人

山形 竜也

OKness代表
"ムーンウォークからムービングウォーク(動く歩道)へのライフシフト"
元うつ病の心理セラピスト。
通信系営業会社の倒産→収入ゼロ→テント清掃で日銭暮らし→ウェブ解析士→親の介護→うつ病→治癒→心理セラピスト& マインドマップインストラクター 。
現在はオンラインで個別セッションや講座、研修講師として活動中。>詳しいプロフィールはこちら